古の塩竈は都人たちの憧れの地でした。その美しい風景は多くの歌人たちの詩情を呼びおこし、塩竈をうたった歌がたくさん生まれ、歌枕の地となりました。 時代が移っても、塩竈で多くの文学作品が生まれました。

There have been many famous poems written about Shiogama, and the name even became a term of Utamakura. Even as time periods changed, a lot of poets visited the city.

鹽竈百人一首 |夫木和歌抄(ゆめにこそ宮このこともみるべきをそでになみこすちかのしほがま)

【原文】 ゆめにこそ宮このこともみるべきをそでになみこすちかのしほがま 【現代語訳】 夢にこそ都にいるあなたが現れるはずなのに、少しも現れません。それは、あなたが私のことをお忘れになったからなのでしょうね。ですから私は千 … 続きを読む

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鹽竈百人一首 |新続古今和歌集(いつしかと霞みにけりなしほがまの浦ゆく舟のみえまがふまで)

【原文】 いつしかと霞みにけりなしほがまの浦ゆく舟のみえまがふまで 【現代語訳】 いつの間にかすっかりと霞んでしまったなあ。塩釜の浦を漕ぎゆく舟が霞の中に紛れるほどであるよ。 作者・著者:新続古今和歌集・源俊頼朝臣 サイ … 続きを読む

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鹽竈百人一首 |夫木和歌抄(いそにおふるみるめにつけてしほがまのうらさびしくもおもほゆるかな)

【原文】 いそにおふるみるめにつけてしほがまのうらさびしくもおもほゆるかな 【現代語訳】 貴女が贈って下さった、波うち際に生える「海松布(みるぬ)」(海藻)。それを見るにつけても、陸奥の守として亡くなった兄弟のことが思い … 続きを読む

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鹽竈百人一首 |重之集(あらなみのまがきのしまに立ちよればあまこそつねにたれととがむれ)

【原文】 あらなみのまがきのしまに立ちよればあまこそつねにたれととがむれ 【現代語訳】 荒波が厳重に取り囲んで人を監視するという、その籬島に立ち寄ると、すぐさま海人がやってきてあなたは誰かと咎めることだ。 作者・著者:重 … 続きを読む

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鹽竈百人一首 |続後拾遺和歌集(塩がまの浦のけぶりの一すぢにたつともみえずかすむ空かな)

【原文】 塩がまの浦のけぶりの一すぢにたつともみえずかすむ空かな 【現代語訳】 塩竈の塩焼く煙は尋常に立っているとも思われません。それほどに霞がかった空模様なのです。 作者・著者:続後拾遺和歌集・権中納言公雄 サイズ:2 … 続きを読む

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鹽竈百人一首 |続後拾遺和歌集(あまのたく煙よりこそ塩がまの浦のかすみは立ちはじめけれ)

【原文】 あまのたく煙よりこそ塩がまの浦のかすみは立ちはじめけれ 【現代語訳】 藻塩を焼く海人の煙が始まりとなって、塩竈の浦の霞は立ちはじめのだなあ。 作者・著者:続後拾遺和歌集・入道前太政大臣 サイズ:270 x 54 … 続きを読む

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鹽竈百人一首 |正治後度百首(ゆふされば松風さむみ雁なきて浜ぢさびしきちかの塩がま)

【原文】 ゆふされば松風さむみ雁なきて浜ぢさびしきちかの塩がま 【現代語訳】 夕方になると松林を吹く風が冷たいので、秋が来たと雁が鳴いて渡ってくる。千賀の塩竈の浜辺の路はもの寂しげであることよ。 作者・著者:正治後度百首 … 続きを読む

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鹽竈百人一首 |夫木和歌抄(すぎぬとてをしみしきくはさきのこるまがきのしまにとまるなりけり)

【原文】 すぎぬとてをしみしきくはさきのこるまがきのしまにとまるなりけり 【現代語訳】 花盛りが過ぎてしまうといって惜しんでいた菊の花がまだ咲き残っていたのは、守りが堅いという籬島に留まっていたからなのですね。 作者・著 … 続きを読む

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鹽竈百人一首 |建保名所百首(大方もかすめる比とうす煙たつはならひのしほがまのうら)

【原文】 大方もかすめる比とうす煙たつはならひのしほがまのうら 【現代語訳】 総じてどこもかしこも春霞がかかっている頃であろうと薄煙が立つのは、塩焼く煙が習慣化している塩釜の浦だからであるよ。 作者・著者:建保名所百首・ … 続きを読む

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鹽竈百人一首 |秋篠月清集(それもなほ心のはてはありぬべし月見ぬ秋のしほがまのうら)

【原文】 それもなほ心のはてはありぬべし月見ぬ秋のしほがまのうら 【現代語訳】 そうであってもやはり、思いの極まる処があるに違いない。秋の名月が煙でぼんやりとする塩竃の浦の風情というものは。 作者・著者:秋篠月清集(良経 … 続きを読む

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鹽竈百人一首 |正治後度百首(しほがまにいつかきにけんとばかりのそのことのはに昔をぞしる)

【原文】 しほがまにいつかきにけんとばかりのそのことのはに昔をぞしる 【現代語訳】 融大臣が塩竈を象った河原院には、多くの公卿・親王が招かれ、車馬が門に集い、着飾った衣装が地を照らすようであったということですが、その様子 … 続きを読む

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鹽竈百人一首 |玄玉和歌集(松風に月影よする白波のかへるもをしきしほがまの浦)

【原文】 松風に月影よする白波のかへるもをしきしほがまの浦 【現代語訳】 松風に月の光が差し込み、塩竈の浦には白波が寄せては返っていく。あまりの美しさに、波も帰るのを惜しんでいるかのようだ。 作者・著者:玄玉和歌集・法橋 … 続きを読む

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鹽竈百人一首 |新勅選和歌集(あけくれはまがきのしまをながめつつみやこ恋しきねをのみぞなく)

【原文】 あけくれはまがきのしまをながめつつみやこ恋しきねをのみぞなく 【現代語訳】 明けても暮れても籬島を眺めながら、遠くはなれた都を恋しく思っては泣いてばかりおります。 作者・著者:新勅選和歌集・源信明朝臣 サイズ: … 続きを読む

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鹽竈百人一首 |拾塵集(都にもいかが移さむ塩竈や塩干塩満ち変わる眺めは)

【原文】 都にもいかが移さむ塩竈や塩干塩満ち変わる眺めは 【現代語訳】 都にも、何とかしてこの美しい眺めを移したいものだ。潮が引いたり、満ちたりする度にその風情を変える塩竈の勝景を。 作者・著者:拾塵集・大内政弘 サイズ … 続きを読む

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鹽竈百人一首 |夫木和歌抄(たちまよふけぶりもなみにまがひつつなのみぞちかのしほがまのうら)

【原文】 たちまよふけぶりもなみにまがひつつなのみぞちかのしほがまのうら 【現代語訳】 塩焼く煙は真っ直ぐに上ることもできず、地を這い波と混じって人を寄せ付けません。名前だけが近いのですね、千賀の塩竈は。 作者・著者:夫 … 続きを読む

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鹽竈百人一首 |草庵集(夕霧のまがきの島やこれならん波にぞはれぬしほがまの浦)

【原文】 夕霧のまがきの島やこれならん波にぞはれぬしほがまの浦 【現代語訳】 夕霧に包まれた籬の島とは、こういうことを言うのだなあ。塩竈の浦の波ではないが、並一通りのことでは晴れやらぬ風情であるよ。 作者・著者:草庵集( … 続きを読む

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