古の塩竈は都人たちの憧れの地でした。その美しい風景は多くの歌人たちの詩情を呼びおこし、塩竈をうたった歌がたくさん生まれ、歌枕の地となりました。 時代が移っても、塩竈で多くの文学作品が生まれました。

There have been many famous poems written about Shiogama, and the name even became a term of Utamakura. Even as time periods changed, a lot of poets visited the city.

鹽竈百人一首 |続後拾遺和歌集(よしやただちかの塩がまちかかりしかひもなき身は遠ざかるとも)

【原文】 よしやただちかの塩がまちかかりしかひもなき身は遠ざかるとも 【現代語訳】 「千賀の塩竈」の貝ではないが、「甲斐」という名のあなたは、私が近づいても甲斐がないので、遠い国に旅立っても、まあ、仕方のないことだなあ。 … 続きを読む

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鹽竈百人一首 |夫木和歌抄(さとわかずもろこしまでの月はあれど秋のなかばのしほがまのうら)

【原文】 さとわかずもろこしまでの月はあれど秋のなかばのしほがまのうら 【現代語訳】 故郷がどこともわからないほど遠い異国の地にあって眺める月の美しさもさることながら、仲秋の名月が照らし出す、ここ塩竈の浦の美しさは譬えよ … 続きを読む

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鹽竈百人一首 |夫木和歌抄(ちはやぶる神もねのびとおもへばやけぶりたなびくしほがまの松)

【原文】 ちはやぶる神もねのびとおもへばやけぶりたなびくしほがまの松 【現代語訳】 塩竈の神も子の日(正月の行事)の火と思ったからだろうか。千代を祝って小松を引く塩竈の浦に煙をたなびかせていることだ。 作者・著者:夫木和 … 続きを読む

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鹽竈百人一首 |夫木和歌抄(ゆふやみにあまのいさり火みえつるはまがきのしまの蛍なりけり)

【原文】 ゆふやみにあまのいさり火みえつるはまがきのしまの蛍なりけり 【現代語訳】 夕闇の中に見える、海人の漁り火と思われた光は、実は籬の島に飛び交う蛍の光だったのですね。 作者・著者:夫木和歌抄・好忠 サイズ:270 … 続きを読む

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鹽竈百人一首 |夫木和歌抄(いくしほか染めてかくらんいろめでぬまがきの島のきしの藤なみ)

【原文】 いくしほか染めてかくらんいろめでぬまがきの島のきしの藤なみ 【現代語訳】 一体、幾たび染め重ねたのでしょうか。籬の島の岸に咲く藤の花の見事な色合いは、愛賞せずにはいられないものです。 作者・著者:夫木和歌抄・祭 … 続きを読む

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鹽竈百人一首 |最勝四天王院和歌(あさくても春と分けたる朝ぼらけかすめる浪はしほがまのうら)

【原文】 あさくても春と分けたる朝ぼらけかすめる浪はしほがまのうら 【現代語訳】 春がまだ浅いのに、それでも朝方の白波が霞んで見えるのは、春の霞ではなく塩釜の浦の塩を焼く煙だったのですね。 作者・著者:最勝四天王院和歌・ … 続きを読む

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鹽竈百人一首 |新古今和歌集(いにしへのあまや煙となりぬらむ人めもみえぬしほがまのうら)

【原文】 いにしへのあまや煙となりぬらむ人めもみえぬしほがまのうら 【現代語訳】 いにしえの海人が皆死んでしまって、煙となって昇っているのだろうか。人の行き来も海藻もみられない塩釜の浦であるよ。 作者・著者:新古今和歌集 … 続きを読む

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鹽竈百人一首 |夫木和歌抄(かりが音の声吹送る春風にけぶりもなびく塩竈の浦)

【原文】 かりが音の声吹送る春風にけぶりもなびく塩竈の浦 【現代語訳】 塩竈の浦には、北へ帰る雁の声を送る春風が吹いてくる。それと共に春霞があたり一帯にぼんやりと立ち籠めてくることだ。 作者・著者:夫木和歌抄・権小僧都季 … 続きを読む

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鹽竈百人一首 |新古今和歌集(見わたせば霞のうちもかすみけり煙たなびくしほがまのうら)

【原文】 見わたせば霞のうちもかすみけり煙たなびくしほがまのうら 【現代語訳】 見わたすと一面霞んでいる中でも、更に一段と霞んでいるところがあるのですね。塩焼く煙の立ち上る塩釜の浦のあたりは。 作者・著者:新古今和歌集・ … 続きを読む

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鹽竈百人一首 |最勝四天王院和歌(あま人の浪間にみゆる白妙の衣手かすむしほがまのうら)

【原文】 あま人の浪間にみゆる白妙の衣手かすむしほがまのうら 【現代語訳】 海人が波の間に見え隠れしている。その塩竈の浦には霞がかかって海人の衣の袖もぼんやりと見えることだ。 作者・著者:最勝四天王院和歌・秀能 サイズ: … 続きを読む

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鹽竈百人一首 |宝治百首(塩がまのけぶりや空にたゆむらん薄雲はるる春の夜の月)

【原文】 塩がまのけぶりや空にたゆむらん薄雲はるる春の夜の月 【現代語訳】 塩竈の塩焼く煙は天空に昇ると勢いが弱まるのだろうか。薄雲がはれるように春の夜の月が美しく澄みわたっていることです。 作者・著者:宝治百首・隆親 … 続きを読む

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鹽竈百人一首 |夫木和歌抄(はるの月まつにかすみをふかみどりやまのはもなきしほがまのうら)

【原文】 はるの月まつにかすみをふかみどりやまのはもなきしほがまのうら 【現代語訳】 春の月が松に懸かり、深緑の山の端も塩竈の浦も、霞の深まりの中に溶け込んで姿を消していくようです。 作者・著者:夫木和歌抄・具親朝臣 サ … 続きを読む

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鹽竈百人一首 |夫木和歌抄(秋はなほたちそふなみと見ゆるかなまがきのしまのしらぎくの花)

【原文】 秋はなほたちそふなみと見ゆるかなまがきのしまのしらぎくの花 【現代語訳】 籬島の白菊の花が咲き競う秋は、なお一層白波が立っているように見えることですよ。 。 作者・著者:夫木和歌抄・覚盛法師 サイズ:270 x … 続きを読む

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鹽竈百人一首 |夫木和歌抄(哀とやかすむにつけて塩がまの沖こぐ舟のとほざかる声)

【原文】 哀とやかすむにつけて塩がまの沖こぐ舟のとほざかる声 【現代語訳】 なんと趣き深いことか。塩竃の浦を漕ぎ行く舟は霞の中に紛れていき、艪を漕ぐ音だけが次第に遠ざかっていくことよ。 作者・著者:夫木和歌抄・後久我太政 … 続きを読む

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鹽竈百人一首 |金槐集(しほがまの浦の松風かすむなりやそしまかけて春や立つらん)

【原文】 しほがまの浦の松風かすむなりやそしまかけて春や立つらん 【現代語訳】 塩釜の浦の、松の木の間を暖かな風が吹き抜けていく。海に浮かぶ島々は春の霞につつまれて、今日の立春を迎えることでしょう。 作者・著者:金槐集( … 続きを読む

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鹽竈百人一首 |夫木和歌抄(道のくのちかの浦にて見ましかばいかにつつじのをかしからまし)

【原文】 道のくのちかの浦にて見ましかばいかにつつじのをかしからまし 【現代語訳】 陸奥の千賀の浦ではないが、もしも近くで見たならばどんなにか躑躅の岡のつつじは趣深いことでしょう。 作者・著者:夫木和歌抄・右近大将道綱卿 … 続きを読む

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