江戸えど時代じだい中なかごろの安永あんえい6年ねん（1777）、
鈴木すずき勘右衛門かんえもんという人ひとが、塩竈しおがまで初はじめての水道すいどうを作つくりました。
勘右衛門かんえもんは、まず、塩竈しおがまと利府りふの間あいだにある泉沢いずみさわに「堤つつみ」を
作つくって水みずを貯ため、その水みずを祓川はらいがわに流ながしました。

そして、祓川はらいがわに「堰せき」を作つくって水みずの流ながれをおさえ、
竹たけで作つくった「樋とい（水みずを流ながすパイプ）」を地中ちちゅうに通とおし、
現在げんざいの西町にしまちから本町もとまち、南町みなみまち、佐浦さうら町ちょうあたりまで水みずを引ひき、
取水用しゅすいようの井戸いどをあちこちに作つくって水みずを汲くめるようにしました。

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  竹の樋

さらに、願成寺がんじょうじのある山やまの下したにトンネルを掘ほり、
現在げんざいの塩竈しおがま市立しりつ第三だいさん小学校しょうがっこうのあたりにあった田たんぼでも
この水みずを使つかえるようにしました。

この水道すいどうができたおかげで、
塩竈しおがまの人々ひとびとは飲のみ水みずや生活せいかつに使つかう水みずに困こまらなくなりました。
権現堂ごんげんどう浄水場じょうすいじょうの敷地内しきちないには、勘右衛門かんえもんの功績こうせきをたたえる
石碑せきひ（祓川はらいがわの碑ひ）が残のこっています。

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  祓川の碑

のちに、泉沢いずみさわに田たんぼや畑はたけが増ふえてくると、
この水道すいどうに汚きたない水みずが入はいりこんだりするようになりました。
また、地中ちちゅうの樋といがこわれたり、コレラという病気びょうきが流行はやったこともあり、
明治めいじ20年ねん（1885）ごろにはこの水道すいどうの水みずは利用りようできなくなってしまいました。