江戸時代、歴代の仙台藩主により鹽竈神社へ奉納された
仙台藩お抱え刀工が制作した35振の太刀です。
これらは宮城県の有形文化財に指定されており、
鹽竈神社博物館が所蔵・公開しています。
家定(刀身)
仙台藩の歴代藩主は、藩主の交代など大きな節目に鹽竈神社に太刀を奉納しました。鹽竈神社には3つの本殿があり(別宮・左宮・右宮)、それぞれに神様がまつられているため、藩主は一度に3振の太刀を納めました。
元禄16年(1703)から天保13年(1842)までに13回、計39振の太刀が奉納された記録があり、このうち35振が現在も残っています。
刀身は、仙台藩のお抱え刀工(刀を作る職人、刀鍛冶)により製作されたものです。たいへん大きな藩だった仙台藩には、江戸時代を通じて200人以上)の刀工がいたと考えられています。この中から、特にすぐれた技術を持った人々が藩に召し抱えられ、代々「お抱え刀工」として活躍しました。同じく仙台藩のお抱えの職人により製作された華やかな外装(拵)も、刀身とともに奉納されています。
これらの太刀は、歴代藩主の願いや、各時代の職人の足跡を今に伝えています。
家定(切先)
家定(拵〔菊紋糸巻太刀拵〕)
補足説明
- 鹽竈神社の歴代藩主奉納太刀
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- 所蔵:鹽竈神社博物館
- 指定:宮城県指定文化財
- ◆日本刀の種類
- 現在では、日本刀は様式と長さから、太刀、刀、脇差、短刀に大きくわけられます。
刀 :刃を上向きにして身に付け、長さ60㎝以上、室町時代中ごろから使われるようになりました。
脇差:刃を上向きにして身に付け、長さ30㎝以上で60㎝未満、江戸時代には刀と脇差で一組とされました。
短刀:長さ30㎝未満、腰刀ともよばれました。
太刀:刀より長く、刃を下向きにして身に付け、平安時代末から室町時代の初めころまで主に使われました。
- ◆刀と関連する語
- 相槌を打つ、鍛える、折り紙付き、真打ち、伝家の宝刀、付け焼刃、抜き打ち、しのぎを削る、つばぜり合い