塩竈市本町の御釜神社※1にある「神釜」とよばれる鉄でつくられた平らな釜です。
御釜神社では、古い時代の塩づくりを現代に伝える
「藻塩焼神事※2」(宮城県指定無形民俗文化財※3)が毎年7月に行われています。
鹽竈神社の末社である御釜神社には、鹽竈神社と同じ塩土老翁神※4がまつられています。
塩土老翁神は人々に塩づくりを教え広めたと伝えられています。
4つある御釜神社の神釜は、塩土老翁神が塩づくりに使ったとされる鉄でつくった釜をまねて、鎌倉時代※5と南北朝時代※6につくられたといわています。
この神釜は直径1.4mほどの鉄釜で、いつも海水が入っており、「釜の水があふれない、水がなくならない」「変わったことがあると釜の水の色が変わる」などの言い伝えがあり、日本三奇※7の一つにも数えられています。
補足説明
- ※1 御釜神社
- 鹽竈神社の末社です。
- ※2 藻塩焼神事
- 古代の塩づくりを伝える神社の儀式です。
- ※3 無形民俗文化財
- 四季折々の祭りや年中行事、民俗芸能や生活に関わる製作技術などです。
- ※4 塩土老翁神
- 日本神話に登場する神、海の神(別名は塩筒老翁神、塩竈明神)
- ※5 鎌倉時代
- 約700年~900年前(1185~1333年)、平安時代と南北朝時代の間の武士が政治の中心になった時代
- ※6 南北朝時代
- 約700年前(1333~1392年)、鎌倉時代と室町時代の間の武士から天皇が一時的に政治の中心となりましたが、室町幕府ができてから天皇が京都と吉野(奈良県)に同時にいて、全国で戦乱がおこった時代
- ※7 日本三奇
- 四口の神釜、石の宝殿(兵庫県高砂市)、天逆鉾(宮崎県高原町)