勝画楼=法蓮寺跡 Shogarou – Hourenji temple ruin

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勝画楼=法蓮寺跡(しょうがろう=ほうれんじあと)

塩竈市指定・有形文化財(建造物)
勝画楼は、仙台藩の歴代藩主が鹽竈神社を参拝する際に、着替えや休憩の場所(御休所)として使用した建物で、“伊達”な文化を今に伝える貴重な文化遺産です。
仙台藩5代藩主伊達吉村が、ここからの眺望を「画に勝る」として「勝画楼」の扁額を揮毫したことが名前の由来とされます。
成立年代の異なる二棟からなる複合建築物で、鹽竈神社別当寺であった法蓮寺の客殿(方丈)に、18世紀に東向書院を建て増しして現在の形になったと考えられます。柱や梁の豪壮さ、天井や欄間の精細さなど、藩主が使用するにふさわしい高い格式を備えた建築物です。東向書院は、三つの部屋が欄間や襖を介した続き間として連なり、かつ入側をもっており、武家住宅の御殿に類似する平面構成を有します。かつての仙台城にもみられた、崖地にせり出す形で柱を立て、床を高くする「懸けづくり」が残っているのは、県内では勝画楼のみです。
明治4年(1871)に法蓮寺が廃寺となり、広壮な伽藍は取り壊され、寺宝は各地に散逸しましたが(※1)、勝画楼は残されました。
明治9年(1876)の天皇東北巡幸では行在所(宿泊所)として使われ、明治11年(1878)に民間に払い下げられて以降は料亭として市民に親しまれてきました。与謝野鉄幹、鮎貝槐園(気仙沼出身の学者)、北原白秋などの文化人や、皇族、外国大使、GHQ幹部なども利用した記録が残っています。
終戦後の経営不振により昭和36年に鹽竈神社に譲渡され、一時は神社職員用住居として利用されたこともありましたが、老朽化に伴い使用されなくなり、鹽竈神社が草刈りや巡回などの管理を行うのみとなりました。倒壊が危ぶまれたことから一時は解体が検討されたものの、市民、有識者、議会などからの保存を願う声が追い風となり、平成29年に志波彦神社・鹽竈神社より塩竈市に建物が譲渡され、行政の手で勝画楼を保存していくことが決まりました。現在、塩竈市では、将来的な復原工事や活用・公開に向けた作業を進めています(※2)。
平成30年には日本遺産「政宗が育んだ“伊達”な文化」の構成文化財に追加登録されるとともに、塩竈市の有形文化財に指定されました。

※1 法蓮寺廃寺の際、多賀城市の慈雲寺に移築された向拝(玄関建築)が、NPOみなとしほがまの尽力と関係者の協力により、平成20年、佐浦酒造社屋の玄関として、130余年の歳月を超え塩竈の地に蘇りました。

※2 安全確保の観点から、現在は敷地・建物内とも立入禁止となっています。

場所:宮城県塩竈市宮町6-1

地図


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JPN|ENG

Shogarou – Hourenji temple ruin

DESCRIPTION

Hourenji temple, an attachment of Shiogama shrine, was established in the late Muromachi period. At present, the only remains are the study room located in the east side of the temple and accessible from the entrance to the main hall. This temple was abandoned Meiji 4 (1871), but luckily avoided removal. In June of Meiji 9(1876), the temple was used for the Meiji Emperor’s stay when he visited the Tohoku area. In 1878, the temple was sold to a private company and used as a restaurant, however in 1961, it was returned to Shiogama shrine. This building, was named Shogarou by Date Yoshimura, the fifth feudal lord of the Sendai domain. The name means “magnificent beauty exceeding that of a picture”.

LOCATION

6-1, Miyamachi, Shiogama, Miyagi

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