古の塩竈は都人たちの憧れの地でした。その美しい風景は多くの歌人たちの詩情を呼びおこし、塩竈をうたった歌がたくさん生まれ、歌枕の地となりました。 時代が移っても、塩竈で多くの文学作品が生まれました。

There have been many famous poems written about Shiogama, and the name even became a term of Utamakura. Even as time periods changed, a lot of poets visited the city.

鹽竈百人一首 |建保名所百首(みわたせばたくもの煙立ちわかれかすめる方やしほがまの浦)

【原文】 みわたせばたくもの煙立ちわかれかすめる方やしほがまの浦 【現代語訳】 見渡すと藻塩を焼く煙は左右に分かれて棚引いています。そのなかで、霞の濃くかかった方角が塩竈海岸なのですね。 作者・著者:建保名所百首・藤原康 … 続きを読む

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鹽竈百人一首 |続古今和歌集(おなじくはこえてやみまししらかはのせきのあなたのしほがまのうら)

【原文】 おなじくはこえてやみまししらかはのせきのあなたのしほがまのうら 【現代語訳】 同じ東国を旅するならばいっそのこと白河の関を越えて、そのはるか彼方にある風光明媚な塩釜の浦まで訪れてみたいものです。 作者・著者:続 … 続きを読む

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鹽竈百人一首 |古今和歌六帖(あまぶねのかよひこしよりしほがまのほのほいたますおもひつきにき)

【原文】 あまぶねのかよひこしよりしほがまのほのほいたますおもひつきにき 【現代語訳】 天舟が塩竈に到着した時から、塩焼き竈に火がついていよいよ燃えさかったように、あの方が通い始めて以来、私に「思ひ」の「火」がついて、次 … 続きを読む

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鹽竈百人一首 |夫木和歌抄(松たてるまがきの島の名にぞ聞くかはらぬ色の人のへだては)

【原文】 松たてるまがきの島の名にぞ聞くかはらぬ色の人のへだては 【現代語訳】 恋しい人を待つという、松を籬にした名前を持つ「籬島」に尋ねてみましょう。色変わりしない常緑の松のように、心変わりしないあなたは、今も他人を寄 … 続きを読む

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鹽竈百人一首 |元輔集(塩がまの誰かはひとりありときくしりてももゆる身をいかにせん)

【原文】 塩がまの誰かはひとりありときくしりてももゆる身をいかにせん 【現代語訳】 塩釜に漂う「火取り」(香炉)の煙ではないですが、あなたが独り身だとは誰も聞いておりません。夫ある身とは知りながらも、我が身を焦がすこの想 … 続きを読む

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鹽竈百人一首 |新後拾遺集(春の色はわきてそれともなかりけり煙ぞかすむ塩竈の浦)

【原文】 春の色はわきてそれともなかりけり煙ぞかすむ塩竈の浦 【現代語訳】 春の色は特別にどの色という決まりはなかったのですね。塩焼く煙に霞む塩竈の浦の美しさをみていると、それがよくわかります。 作者・著者:新後拾遺集・ … 続きを読む

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鹽竈百人一首 |夫木和歌抄(心あらばそではいかにとあまをとへおぼろ月よのしほかまのうら)

【原文】 心あらばそではいかにとあまをとへおぼろ月よのしほかまのうら 【現代語訳】 もし、あなたに風情を解する心があるならば、「涙で袖を濡らしていませんか」と海人を訪いなさい。朧月夜の美しい塩竈の浦で塩を焼いて風情を損な … 続きを読む

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『東北遊日記』

【原文】 東北遊日記 三月 十八日  朝微雨 巳にして晴る 塩竈の別当鈴木隼人を訪ふ 隼人 吾が二人を導きて法蓮寺に登る 寺の地は高敞にして松島を望むべし 寺に藩侯臨む所の室あり 塩竈明神の祠を拝す 是れを陸奥一の宮と為 … 続きを読む

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『都のつと』

【原文】  その日くるるほどに。しほがまの浦に行つきぬ。  則(すなわち)神躰(しんたい)は やがてしほがまにてわたらせ給(たま)ふ。御前につやし侍(はべ)りぬ。  このうらの東にむかへる入海(いりうみ)にかけはしたかく … 続きを読む

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『好色一代男』

【原文】 好色一代男(こうしょくいちだいおとこ) 口舌(くぜつ)の事触(ことふれ)(巻三)   仙台(せんだい)につきてみれば、この所の傾城町(けいせいまち)はいつの頃絶えて、その跡なつかしく、松島や雄島(をじま)の人に … 続きを読む

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『源氏物語 乙女』

【原文】 少女(をとめ)   大殿、静かなる御住(すまひ)を、同じくは広く見どころありて、ここかしこにておぼつかなき山里人などをも、集へ住ませんの御心にて、六条京極のわたりに、中宮の御旧(ふる)降き宮のほとりを、四町(よ … 続きを読む

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『おくのほそ道』

【原文】 それより野田の玉川 沖の石を尋(たづ)ぬ 末(すゑ)の松山(まつやま)は寺造を(つくり)て末松山(まつしようざん)といふ  松のあひあい皆墓はらにて はねをかはし枝をつらぬる契(ちぎり)の末も終(つひに)はかく … 続きを読む

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『宇治拾遺物語』

【原文】 河原院融公(かわらのゐんとほるこう)の霊住む事 (巻第十二 十五) 今は昔、河原院は融の左大臣の家なり。陸奥(みちのく)の塩釜(しほがま)の形(かた)を作りて、潮(うしほ)を汲み寄せて、塩を焼かせなど、さまざま … 続きを読む

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『伊勢物語 塩竈(八十一段)』

【原文】 むかし、左のおほいまうちぎみいまそがりけり。 賀茂川(かもがは)のほとりに、六条わたりに、家をいとおもしろく造りて、すみたまひけり。 十月(かんなづき)のつごもりがた、菊の花うつろひさかりなるに、もみぢのちぐさ … 続きを読む

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『塩釜甚句』

【原文】 塩 釜 甚 句 (しおがまじんく) 塩釜 ハットセ  街道に 白菊植えて ハットセ 何を聞く聞く アリヤ 便り聞く ハ ハ ハットセ 塩釜出る時や 大手振りよ 総社の宮から 胸勘定 千賀の浦風 身にしみじみと … 続きを読む

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