【原文】
かきくらしふるしら雪にしほ竈の浦の煙もたえやしぬらん
【現代語訳】
空一面を真っ暗にして降る白雪の為に、塩釜の浦の、塩焼く煙も絶えてしまうのではないでしょうか。
サイズ:270 x 540mm
材質・形状:石碑
所在地:宮城県塩竈市西町(鹽竈海道)
閲覧可
地図
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かきくらしふるしら雪にしほ竈の浦の煙もたえやしぬらん
空一面を真っ暗にして降る白雪の為に、塩釜の浦の、塩焼く煙も絶えてしまうのではないでしょうか。
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しほがまのけぶりになるる浦人はかすむもしらで月やみるらん
塩釜の塩焼く煙に慣れている浦びとたちは、春の霞ゆく風情を知らないで月を見ているのでしょうね。
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春くればまがきの島にかけてほすかすみの衣ぬしやたれなる
春が来ると籬の島を包み込むように春霞が立ち籠めますが、いったいその霞の衣の主は誰なのでしょうか。
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煙立つおぼろ月夜のかなしさも春のうみべに塩がまの浦
塩を焼く煙がたなびくおぼろ月夜に胸につまりますのも、塩釜の春の海辺にいるからでしょう。
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あさくても春と分けたる朝ぼらけかすめる浪はしほがまのうら
春がまだ浅いのに、それでも朝方の白波が霞んで見えるのは、春の霞ではなく塩釜の浦の塩を焼く煙だったのですね。
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いそにおふるみるめにつけてしほがまのうらさびしくもおもほゆるかな
貴女が贈って下さった、波うち際に生える「海松布(みるぬ)」(海藻)。それを見るにつけても、陸奥の守として亡くなった兄弟のことが思い出されて、塩釜の浦がうら寂しく思われることですよ。
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大方もかすめる比とうす煙たつはならひのしほがまのうら
総じてどこもかしこも春霞がかかっている頃であろうと薄煙が立つのは、塩焼く煙が習慣化している塩釜の浦だからであるよ。
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立ちわたる春の霞もわかれぬはけぶりになるるしおがまの浦
一面に立ち込める春の霞がここ塩釜の浦を立ち去り難いのは、塩焼く煙と馴れ親しんだせいなのでしょう。
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ながめやる心のすゑもみちたえて雪のあしたのしほがまのうら
物思いにふける心の移りゆく先も途絶えてしまいました。塩竈の浦は朝の雪に降り込められて、進みゆく道も絶えております。
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秋ぎりのまがきの島のへだてゆゑそこともみえぬちかの塩竈
秋の霧が籬の島の隔てとなるように、飽きが来て二人の間には隔たりができてしまいました。霧に包まれた千賀の塩竈の所在がわからないように、近くにありながらあなたの消息すらつかめません。
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ふけゆかば煙もあらじしほがまのうらみなはてそ秋のよの月
夜が更けたならば、塩焼く煙も立たないでしょう。だから秋の夜の月よ、煙を立てる塩釜の浦を恨み尽くしてはいけないよ。
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海士の住むまがきの島のいさり火に色見えまがふとこ夏の花
海人達が住む籬の島では、漁り火と見間違えてしまいそうなほどに、撫子の花が色鮮やかに咲き誇っています。
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はるくればもとよりたえぬけぶりさへかすみと見ゆるしほがまの浦
春が来ると、もともと絶えることのなかった塩焼く煙までもが春霞のようにみえることです。ここ塩竈の海岸の景色は。
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明けぬとや釣する舟も出ぬらん月に棹さすしほがまのうら
まもなく夜が明けるだろうと、そう思うからか、釣りする舟は水面に映る月に棹をさして塩釜の浦を出て行くようであるよ。
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哀とやかすむにつけて塩がまの沖こぐ舟のとほざかる声
なんと趣き深いことか。塩竃の浦を漕ぎ行く舟は霞の中に紛れていき、艪を漕ぐ音だけが次第に遠ざかっていくことよ。
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それもなほ心のはてはありぬべし月見ぬ秋のしほがまのうら
そうであってもやはり、思いの極まる処があるに違いない。秋の名月が煙でぼんやりとする塩竃の浦の風情というものは。
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